『ふんばりが丘より愛をこめて 3』



「ただいまー」


玄関の方でした声に、


「葉くんだ!」


まん太はエプロンをしたまま玄関へ急ぎ、葉くんを出迎えた。




「あたし達も行こ」


と私の手を引くので、私たちはまん太の後に続いた。


「葉くんずいぶん遅かったね。いったい何してたの?」


まん太が葉くんに尋ねる。


「ああ、実はオイラ・・・」


言いながら葉くんがポケットから何かを取り出した。


「ほら、見てみろよコレ。実はオイラ、シャーマンファイトの参加試験に・・・」

「うわぁー、これがオラクルベル!?意外と小さいのねー」


突然が葉くんの言葉を遮り、彼が手に持つ物をまじまじと見つめて声をあげた。


「ちょ、・・・!」


慌てて私はの手を掴んだ。


「あ、ごめんごめん。ちょっと興奮しちゃって」


は笑う。

が、葉くんはきょとんとした顔で私たち二人を見つめていた。


「おめーら、一体誰なんよ?それになんでオラクルベルのこと・・・」


葉くんが言ったかと思えば、


「そうだ!そういえば僕の名前も知ってたんだよ!」


まん太も思い出したように声を張り上げた。


「怪しいわね。あんた達いったい何者なの?」


いつのまにか私たちの後ろには腕を組んだアンナちゃんの姿があった。

だって漫画で読んだから・・・なんて言える訳もないし、

たとえ言ったとしても何のことかさっぱりわからないだろう。


「さあ、どうなの?」


詰め寄ってくるアンナちゃん。そこへ


「わかった。説明するわよ」


と観念したように手をあげた。


「あのね、あたし達実は・・・・・・未来を予知することが出来るの」


は、私も予想しなかったような突拍子もないことを言い出した。


!?いきなり何言い出す・・・」

(いいから!うまいことあたしに合わせて!)


があたしに目配せをする。


「未来を予知!?」


葉くんとまん太は驚いて、アンナちゃんはうさんくさそうに私達を見る。


「そう、だからあたし達は自分の未来を見て葉達に会うことを知ってたの。

 もちろん、オラクルベルのこともね」


は平然と言ってのけた。

彼女の度胸には本当に感服する。


「ヘぇー、じゃあ10年後のオイラのこととかもわかるんか?」

「んーそれはちょっと・・・で、でも近い未来のことなら!ね?


に突然話を振られ、私は慌ててうなずいた。


「え、う、うんっ!!」

「例えばねー、葉はこの先予選を勝ち抜いてシャーマンファイトに出場する!」


が葉に向かって自信満々に言ってみせた。


「そ、そうなんか?」

「そうなの!」

「他には?」


とアンナちゃんが問う。

彼女はまだ信用しきれない様子だ。


「じゃーねー、葉のこといろいろ話してあげようか。麻倉葉、出雲出身。

 持ち霊は阿弥陀丸で媒介は春雨っていう名の日本刀。どう?」


『シャーマンキング』の基本的なことを得意そうにいうがちょっぴりおかしい。

だが葉くんはひたすら驚いていた。


「すげー、全部あってるぞ」

「ほら、も何か言ってよ」

「え、うーんと・・・」


私は頭の中で必死にコミックのページをめくる。


「えと、葉くんの次の対戦相手は・・・ホロホロくん・・・」

「ホロホロ?プッ、変な名前だなー」


聞き慣れない響きの名前に葉くんは吹きだす。

そのとき、PIPIPIPIPIPIPIPPIPIPIPIPI、オラクルベルが鳴った。

まん太がオラクルベルを手にとり、液晶画面の文字を読み上げる。


「第一次予選組み合わせのお知らせ・・・対戦相手は・・・ホロホロだって!?」


三人は一斉に私たちの方を見た。


「あんた達の言ってること、どうやら本当みたいね」

「そーいうこと。というわけであたし達も信用してもらえたみたいだし、これからよろしくねv」


がにこりと微笑んだ。

このとき私はまだ、ちょっとした旅行に来たような、そんな軽い気持ちだった。

しばらくこの世界を楽しんだらすぐに帰れるのだと思っていた。

まさかこれから先に起こる様々な冒険を葉くんたちとともに体験することになろうとは。

はともかく、私は想像もしていなかった。







*あとがき*

内容が無いよう・・・(爆)
お相手が当分でてこないのでドリー夢になってないような。
次はきっとホロホロが出て来ますよー。
ちゃんとちゃんの違いがよくわからなくなってるよう。
文章めちゃくちゃ・・・




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